蒼銀の王女と誓約の騎士〜生贄として連れてこられた神殿で、千年の眠りから覚めた騎士と出逢いました〜

――そのとき。

「……2人とも?」

眠たげな声が森に落ちる。
エリシアが外套を抱き、
眠気でぽやっとした表情で歩いてきた。

セドリクスは一瞬で丁寧な口調に戻る。

「姫、もうお目覚めですか。寒くはありませんでしたか?」

「う、うん……ありがとう。
 あの……これから、どこへ行くの?」

その素朴な問いに、
セドリクスは柔らかく微笑んだ。

「星の継承院へ向かいます。
 姫が“蒼銀の王女”としての力を取り戻す場所です」

エリシアははっとして、胸に手を当てた。

「わたし……本当に、そんな……いよいよなのね」

「はい、姫。あなたこそ、王国復興の希望です」
ライオネルが膝をつき、敬意を示す。

エリシアは顔を真っ赤にし、
慌てて手を振る。

「い、いいから立って!
 そんな大げさにしなくても……っ」

可愛いその反応に、
セドリクスは思わず微笑みそうになり
――すぐ表情を整える。

「……行きましょう、姫。あなたを守るためなら、千の敵を相手にしても構いません」

霊廟に差し込む朝の光が、
3人を照らす。

こうして――
“蒼光の王国”を復活させる旅 が、
本格的に始まった。