霊廟の奥深く。
焚き火の火がぱちりと弾け、
微かな光が古代石壁に揺らめく。
エリシアは疲れ果てて眠りにつき、
静かな寝息が響いている。
その少し離れた場所で、
セドリクスとライオネルは向かい合っていた。
ライオネルは焚き火を見つめながら低く口を開く。
「……あの姫君。まさしく“蒼銀の王家”の末裔。
しかしアルバレス様の血を受け継ぎながら、あのような孤児として扱われていたとは。」
その横顔には怒りと哀しみが重なっていた。
セドリクスは腕を組んだまま、
静かにうなずく。
「……千年もの間、帝国は“ヴァルクリオン家の血”を恐れ続けてきた。生贄にされたということは、奴らはついに約束の姫の誕生を察したのだろう。」
「帝国は再び狙ってくるな。」
「必ず来る。――エリシアを殺すために。」
焚き火が強く燃え上がり、
二人の影が揺れた。
ライオネルはちらりと寝ているエリシアを見た。
その顔は驚くほど穏やかで、
無防備だった。
「……あの姫は、自分の価値をご存じない。」
「それでいい。」
セドリクスは静かに言った。
「自分が背負う重荷を理解してしまえば……あまりに酷だ。」
ライオネルは眉をひそめて笑う。
「昔からあんたは変わらないな、セドリクス。
守る相手を過剰に甘やかして、結果的に孤独を背負う。」
「放っておけ。」
「いや、褒めてるんだ。」
ライオネルは目を細める。
「“誓約の騎士”は、やはり誓った相手に全てを捧げるらしい。」
その言葉にセドリクスは微かに動揺した。
――エルフリーデへの想い。
――そして今、エリシアへ向けられていく想い。
胸の奥がざわつく。
焚き火の火がぱちりと弾け、
微かな光が古代石壁に揺らめく。
エリシアは疲れ果てて眠りにつき、
静かな寝息が響いている。
その少し離れた場所で、
セドリクスとライオネルは向かい合っていた。
ライオネルは焚き火を見つめながら低く口を開く。
「……あの姫君。まさしく“蒼銀の王家”の末裔。
しかしアルバレス様の血を受け継ぎながら、あのような孤児として扱われていたとは。」
その横顔には怒りと哀しみが重なっていた。
セドリクスは腕を組んだまま、
静かにうなずく。
「……千年もの間、帝国は“ヴァルクリオン家の血”を恐れ続けてきた。生贄にされたということは、奴らはついに約束の姫の誕生を察したのだろう。」
「帝国は再び狙ってくるな。」
「必ず来る。――エリシアを殺すために。」
焚き火が強く燃え上がり、
二人の影が揺れた。
ライオネルはちらりと寝ているエリシアを見た。
その顔は驚くほど穏やかで、
無防備だった。
「……あの姫は、自分の価値をご存じない。」
「それでいい。」
セドリクスは静かに言った。
「自分が背負う重荷を理解してしまえば……あまりに酷だ。」
ライオネルは眉をひそめて笑う。
「昔からあんたは変わらないな、セドリクス。
守る相手を過剰に甘やかして、結果的に孤独を背負う。」
「放っておけ。」
「いや、褒めてるんだ。」
ライオネルは目を細める。
「“誓約の騎士”は、やはり誓った相手に全てを捧げるらしい。」
その言葉にセドリクスは微かに動揺した。
――エルフリーデへの想い。
――そして今、エリシアへ向けられていく想い。
胸の奥がざわつく。



