蒼銀の王女と誓約の騎士〜生贄として連れてこられた神殿で、千年の眠りから覚めた騎士と出逢いました〜

復活した騎士たちが霊廟に整列し、
夜風が吹き込む。
エリシアはまだ頬を赤く染めたまま、
胸を押さえていた。

ライオネル――騎士団副長で、
しなやかな金髪と整った顔立ちの青年。
彼の「手の甲へのキス」は、
エリシアの人生で初めての経験だった。

セドリクスは少し離れた位置で、
ん腕を組んだまま鋭く睨んでいる。
(※完全に怒ってる)

エリシアは恐る恐るセドリクスのそばに近づく。

「あの……セドリクス?」

「……なんでしょう、姫。」

声が低い。
機嫌が悪いのが明らか。

エリシアはモジモジしながら、
視線を落とす。
「その……手にキスって……あれって普通なの……?
わ、わたし、ああいうのされたの初めてで……」

セドリクスの眉がピクリ、と跳ねた。

「普通ではありません。」

「えっ、そ、そうなの?」

「えぇ。あれは――」

ぐっとエリシアの肩をつかむ。
「好意を示す行為です。しかもかなり強いものです。」

「えっ……!? こ、好意……?」

エリシアの頬が再び赤く染まる。
その反応を見て、
セドリクスの中で嫉妬が一気に燃え上がる。

(……何を意識している。あの男のキスなど――!)