蒼銀の王女と誓約の騎士〜生贄として連れてこられた神殿で、千年の眠りから覚めた騎士と出逢いました〜

その光景を見ていたセドリクスの表情が、
一瞬で凍りつく。

(……今……何をした?)
(目の前で……エリシアに……?)
(ふざけるな……!!)

冷気のような殺気が霊廟の空気を震わせ、
近くの騎士たちでさえ一歩たじろいだ。

ライオネルは微笑み、
セドリクスに視線を向ける。

「久しいな、セドリクス。
 姫の護衛は、あなた一人の役目ではありますまい?」

その言い草に、
セドリクスは奥歯を噛みしめた。

「……出過ぎた真似をするな、ライオネル。
 姫の手に触れてよいとは、誰が許した」

「姫が拒まれなかったのであれば、それで充分かと」

「貴様……!」

エリシアは二人の間に流れる火花に気づかず、
ただ赤面したまま固まっていた。

(どうしよう……セドリクス、ものすごく怒ってる……?
 ライオネルさんのキス……そんな……ダメだったのかな……?でも……なんで胸がドキッとしたんだろ……?)

自分の感情が理解できず、
さらに混乱するばかり。