一度は眠りについたものの、
目が冴えてしまった。
ぱち、ぱち……と火の粉が夜空に舞い上がる。
薄明かりに照らされたセドリクスの横顔は、
どこか遠い記憶の中にいるように見えた。
さっき話していた“エルフリーデ王女”のこと。
その名を口にするたび、
彼の声はひどく優しくなる。
その瞳は、
誰かを深く想い続けた者だけが持つ色をしていた。
(もっと……聞きたい。どうしてだろう、胸が少し苦しくなるのに)
エリシアは膝に置いた手をぎゅっと握りしめ、
思い切って口を開いた。
「ねぇ、セドリクス……さっきの続き、聞かせてくれない?」
「続き……?」
「エルフリーデ王女のこと。どんな人だったのか……もっと知りたいの」
そう言うと、
セドリクスは明らかに一瞬、息をのんだ。
焚き火の赤い光が彼の頬を照らし、
普段は冷静な彼の表情がどこか照れたように緩む。
千年の眠りについた古代の騎士が、
少女の一言に動揺したのだ。
「……あなたが、興味を持ってくれるとは思わなかった」
「だって、セドリクス、とても大切そうに話してたから……」
エリシアは無自覚に言ったが、
その言葉はセドリクスの胸を強く揺さぶった。
彼は視線をそらし、火の揺らめきの中に言葉を落とす。
「……あの方は。私にとって――主君であり、救いであり……」
少し間を置き、
「……誰よりも守りたかった人だ」
その声音には、深い愛と敬意が滲んでいた。
エリシアの胸がきゅ、と痛む。
理由は分からない。
ただ、苦しくて、
でももっと聞きたいと思ってしまう。
目が冴えてしまった。
ぱち、ぱち……と火の粉が夜空に舞い上がる。
薄明かりに照らされたセドリクスの横顔は、
どこか遠い記憶の中にいるように見えた。
さっき話していた“エルフリーデ王女”のこと。
その名を口にするたび、
彼の声はひどく優しくなる。
その瞳は、
誰かを深く想い続けた者だけが持つ色をしていた。
(もっと……聞きたい。どうしてだろう、胸が少し苦しくなるのに)
エリシアは膝に置いた手をぎゅっと握りしめ、
思い切って口を開いた。
「ねぇ、セドリクス……さっきの続き、聞かせてくれない?」
「続き……?」
「エルフリーデ王女のこと。どんな人だったのか……もっと知りたいの」
そう言うと、
セドリクスは明らかに一瞬、息をのんだ。
焚き火の赤い光が彼の頬を照らし、
普段は冷静な彼の表情がどこか照れたように緩む。
千年の眠りについた古代の騎士が、
少女の一言に動揺したのだ。
「……あなたが、興味を持ってくれるとは思わなかった」
「だって、セドリクス、とても大切そうに話してたから……」
エリシアは無自覚に言ったが、
その言葉はセドリクスの胸を強く揺さぶった。
彼は視線をそらし、火の揺らめきの中に言葉を落とす。
「……あの方は。私にとって――主君であり、救いであり……」
少し間を置き、
「……誰よりも守りたかった人だ」
その声音には、深い愛と敬意が滲んでいた。
エリシアの胸がきゅ、と痛む。
理由は分からない。
ただ、苦しくて、
でももっと聞きたいと思ってしまう。



