蒼銀の王女と誓約の騎士〜生贄として連れてこられた神殿で、千年の眠りから覚めた騎士と出逢いました〜

王国再建から一年後——

新王国ルーヴェルは、
エリシアを中心に驚くべき速さで
復興しつつあった。
アルシオン共和国からの支援も手厚く、
かつての遺跡は文化財として整備され、
新しい街並みには古代と現代が調和した
美しい建築が立ち並び始めている。

その中心に立つのは、もちろん——
蒼銀の女王エリシア・ヴァルクリオン。

玉座に座る彼女は威厳ある姿ながら、
臣下たちはしばしば
「女王陛下は昔より柔らかく微笑むようになった」
と噂した。
理由は言わずもがな。
彼女の隣に、
いつも一人の騎士が寄り添っていたからだ。

セドリクスとして千年前の眠りから目覚め、
現代に蘇った彼は、
王国創設後に正式に国籍と新たな名を持ち、
王配騎士として女王を支える立場となった。

臣下たちの前でも、
セドリックはエリシアを
決して名前呼び捨てにせず、
「陛下」
「我が女王」
と人目を憚らぬ敬愛で呼ぶものだから、
侍女たちは毎度頬を赤らめた。

だが、夜。扉が閉まると——
セドリックの態度は一変する。
エリシアはそれが大好きだった。