蒼銀の王女と誓約の騎士〜生贄として連れてこられた神殿で、千年の眠りから覚めた騎士と出逢いました〜

「明日、私はルーヴェル王国の女王になるわ。でも……私は元々、名前すら誰にも呼ばれない孤児だった少女よ。
私は王冠の重さに耐えられるのか、ずっと不安なの。」

それは、誰にも言えなかった本音。
セドリックだけが、
それを受け止められる人だった。

セドリックはそっとエリシアの両肩に手を置いた。

「エリシア。これまで何度誓った?“お前を支える”と。俺は千年前から今に至るまで、ずっとお前の騎士だ。」

「……うん。でもね……」

エリシアは首を振り、
涙を堪えるように唇を噛む。

「それだけじゃ足りないの。あなたが“騎士”でいてくれるだけじゃ足りないの。だって私は――」

一歩だけ近づき、胸に手を当てる。
「あなたを愛しているもの。」

セドリックの表情が揺れる。
千年を越えてなお、
誰かにそう告げられる未来など
想像もしていなかった。

エリシアは深呼吸をして、
震える声で続けた。