白い雲が山々を包み、
朝の光がゆっくりと神殿を照らしていく。
今日の儀式は、これまでと少し趣が異なっていた。

「本日の“白虎の誓約”は、夫婦で一体となり行う。」
神官の宣言に、
周囲の空気が微かにざわめく。
一体どんな神事なのだろう。

神官の指示に従い、
それぞれの国主と正妃が向かい合い、
白絹を両手で支える。
その布に誓いの文を交互に筆で記し、
書き終えた後、二人で炎にくべる

――それがこの日の神事だった。