式が終わると、
神官たちは新しい神殿の役割や礼拝の仕方を説明し、
参列者は順番に各殿を巡る。
総領の君は、父に抱かれながらも、
朱雀殿の炎や青龍殿の水音に興味津々だ。

雪蘭はその様子を優しい目で見つめ、
凌暁と目を合わせて微笑む。
「こんな日が来るなんて……」
雪蘭が小さく呟く。
凌暁は彼女の髪を撫でながら答える。
「全て、そなたと共に乗り越えたからだ。だからこそ、この神殿は私たちの誇りでもある。」

五幻獣たちは空高く舞い戻り、
光を残して姿を消す。
それでもその存在は確かに会場に感じられ、
参列者の心を温かく満たしていた。