(私はどうしたら良いのかしら……)
雪蘭が所在なさ気に布団の上で正座していると
それに気づいた凌暁が
「もう休め」
と声をかける。

「明日の朝も早い。私も寝るとしよう。」
凌暁が本を閉じた。

「は、はい……」
雪蘭は顔を真っ赤にして布団に潜り込む。
隣で衣擦れの音がして、
凌暁が同じように横たわるのがわかる。

互いに背を向けて、
ただ天井を見つめたまま、
息を殺すように静かな夜が過ぎていった。

外では風が雪を運び、
神殿の鈴がかすかに鳴っていた。

――こうして、二人の天啓の十四日が始まった。