【完】ハルくんの、かくしごと。




「ちあは、もう俺のことが嫌い?」



少し離れて、私の頭を優しく撫でながら恐る恐る聞いてくる。その瞳が揺れている。

このどうしようもなく不器用なハルくんの優しい手を、私はもうずっと離したくない。

頭を撫でているハルくんの手をぎゅっと握って、頬に摺り寄せる。



「ハルくんのこと、嫌いだったときなんてない…」



この暖かい手がすき。

私のことを守ってくれるこの手がすき。

たまに手つきの悪さが際立つけど、そこもなんだかんだ好き。


ハルくんは、驚いたように目を見開いて、次の瞬間、ふっと笑った。



「……そっか」



その声は、少し震えていて、でも確かに安心していた。



「…ちあは、俺のこと好き?ちゃんと、俺と同じ?」

「…すき、だよ。そうじゃないと、ハルくんにくっついたり、しない」

「でもそれ、子どもの時から、ずっとじゃん」



…たし、かに。こういうのが、ハルくんを困らせるきっかけで、私の気持ちが全く伝わらない原因になっていたのかもしれない。

…どうしたら、伝わる? もう、逃げたくない。