私も優しく指導できればいいんだけど、違反を見つけたら条件反射のように指導してしまう。
もちろん、違反するほうが悪いのは分かってるけど……。
「伊狩、今日は余計なもの持ってきてないだろうな?」
「心配ならカバンひっくり返してもいいっすよ~?」
「おう、じゃあ遠慮なく。……おい伊狩、これは何だ」
「どっからどう見てもクッキーじゃないっすか~。これ、実は俺の手作り」
「没収と反省文5枚な」
自分の未熟さを隠すように、先輩の隣で登校してくる生徒に挨拶をする。
そして徐々に挨拶運動に参加する生徒が増えてきた頃、そんなやり取りは聞こえてきた。
……また没収されてる。
校門で挨拶運動をしている先生に捕まり、「ちぇっ」と膨れっ面をしている男子生徒が一人。
彼はこの学校で有名な没収の常連、伊狩千鐘。入学したての頃からお菓子や漫画雑誌、携帯ゲーム機を持ってきては先生に怒られている。
二年生に上がってもそれは健在なようで、アプリコット色のサラサラな髪を揺らし反抗していた。
もちろん、違反するほうが悪いのは分かってるけど……。
「伊狩、今日は余計なもの持ってきてないだろうな?」
「心配ならカバンひっくり返してもいいっすよ~?」
「おう、じゃあ遠慮なく。……おい伊狩、これは何だ」
「どっからどう見てもクッキーじゃないっすか~。これ、実は俺の手作り」
「没収と反省文5枚な」
自分の未熟さを隠すように、先輩の隣で登校してくる生徒に挨拶をする。
そして徐々に挨拶運動に参加する生徒が増えてきた頃、そんなやり取りは聞こえてきた。
……また没収されてる。
校門で挨拶運動をしている先生に捕まり、「ちぇっ」と膨れっ面をしている男子生徒が一人。
彼はこの学校で有名な没収の常連、伊狩千鐘。入学したての頃からお菓子や漫画雑誌、携帯ゲーム機を持ってきては先生に怒られている。
二年生に上がってもそれは健在なようで、アプリコット色のサラサラな髪を揺らし反抗していた。

