「あはは、確かにそうだね」
駆け足で昇降口へ向かうと、私に気付いた先輩が朗らかに挨拶してくれる。
名前は剣菱夕貴先輩。いつも柔らかい表情で周りと接するふわふわしている人だ。
視力が悪いらしいからレンズの厚い眼鏡を常にかけていて、なくすと途端に何も見えなくなるそう。
けれど一度だけ、先輩が委員会の資料確認中に寝落ちしちゃって眼鏡を落とした時は可愛かった。
『ど、どうしよう月森さんっ、眼鏡どこかに落としちゃったみたい……っ』
『眼鏡……? あ、これじゃないですか?』
『本当だ……ありがとう月森さん! まさか床に落ちちゃってたなんてね……』
まるで、怒られて泣きそうな子供のようになる先輩。
思い出すだけでもきゅんとして、こっそり頬を緩めた。
そんな私と先輩は風紀委員会所属。先輩が委員長で、私が副委員長を務めている。
剣菱先輩は私の厳しい指導とは違い、多少の違反は見逃してしまう優しい人。
だから男女関係なく好かれていて、私は密かに先輩を尊敬している。
駆け足で昇降口へ向かうと、私に気付いた先輩が朗らかに挨拶してくれる。
名前は剣菱夕貴先輩。いつも柔らかい表情で周りと接するふわふわしている人だ。
視力が悪いらしいからレンズの厚い眼鏡を常にかけていて、なくすと途端に何も見えなくなるそう。
けれど一度だけ、先輩が委員会の資料確認中に寝落ちしちゃって眼鏡を落とした時は可愛かった。
『ど、どうしよう月森さんっ、眼鏡どこかに落としちゃったみたい……っ』
『眼鏡……? あ、これじゃないですか?』
『本当だ……ありがとう月森さん! まさか床に落ちちゃってたなんてね……』
まるで、怒られて泣きそうな子供のようになる先輩。
思い出すだけでもきゅんとして、こっそり頬を緩めた。
そんな私と先輩は風紀委員会所属。先輩が委員長で、私が副委員長を務めている。
剣菱先輩は私の厳しい指導とは違い、多少の違反は見逃してしまう優しい人。
だから男女関係なく好かれていて、私は密かに先輩を尊敬している。

