「そこでだ月森。明日から25日間、特別集中講座に参加しないか?」

「特別集中講座……?」

「そうだ。講座と言ってもプリント渡して分からないところがあれば俺に聞きに来る、みたいな自習体制で他の生徒もいるんだが……どうだ?」

 顔色を窺うように、恐る恐るといった様子で尋ねてくる先生。

 講座というくらいなら、自分で勉強するよりかは何倍も効率がいいんだと思う。マンツーマンで教えてもらえるならありがたい話だ。

 きっとこれを断れば……そのまま成績は地に落ちていく一方だろう。

 それなら、選択肢はひとつしかない。

「参加したいですっ! 私も、特待生制度を利用できなくなるのは困るので……っ」

「分かった。それなら明日から早速……って本来なら言うはずなんだが、月森さえよければ今日からどうだ?」

「今日からですかっ?」

「勉強は積み重ねたもん勝ちだ。つっても無理にとは言わないし、本当は明日からだからな。他の生徒は明日からでお願いします~って言ってるし」

 まさかの提案に目を丸くしてしまったけど、先生の言うことは一理ある。