悪い人じゃないし普段は大人しいから、私もそこまでは嫌ってはない。もちろん発明とかで使っている道具は不用品ではあるけど。

「佛木くん」

「……何」

「危ないことだけは、しないでね」

 準備室から日誌を見つけ出してから、そう言ってみる。

 人気のない第二理科室で作業をしているということは、周りを配慮しているということ。学校で作業するのはどうかと思うけど、そこまで咎める権利は私にはない。

 それに教室ではいつも読書しているだけだし……危ないことさえしなければいいと思う。

 佛木くんからの返事はなかったけど、ちょっとは気を付けてくれればいいな。

 なんて呑気に考えながら、これ以上佛木くんを刺激しないように理科室を後にした。



 それから10分後。職員朝礼を終えた先生によって、私は朝のHR後呼び出しを受けた。

「月森、ちょっと来てくれ」

「は、はい」

 一時間目の用意をやりかけた私に、先生がちょいちょいと手招きする。

 今度はどうしたんだろう?と疑問に思いつつも向かうと、先生は苦い表情で用件を切り出した。