冷たくピシャリと言われて、また謝りそうになってしまう。

 もう用はないと言うように私に背を向けたクラスメイトの彼、佛木真幌(まほろ)くんは再び作業を始めた様子。

 佛木くんの目の前には設計図のような大きな用紙を始め、電池やUSB、ノートパソコンや私には分かりそうもないものがたくさん広がっていた。

 そういえば佛木くん、発明やプログラミングが趣味だったっけ。

 去年はクラスが違ったから十分に分かっているわけじゃないけど、休憩中に難しそうな本を読んでいるのをよく見かける。

 初心者用の薄めの参考書からクラスメイトみんなが驚くような厚めの本まで色々持ってきていて、授業が始まってることに気付かず先生に注意されることもしばしば。

 ……そんな佛木くんは去年、とある事件を起こしている。

 詳しいことは全然分からないんだけど、佛木くんの試作品である発明品が誤作動か何かで軽い爆発が起きる事故があったそう。

 その事故が起こったのは教室で、何人かが火傷や怪我を負ってしまう事態に。

 それきっかけで佛木くんも困り者認定されてしまっているけど、一応注意は聞き入れるから先生も手を焼いているみたいだ。