芸能活動が忙しいのか彼が学校に来る頻度は少ないけど、姿を見せる日は毎回こうなるから内心ちょっぴりうんざりしている。
「あの子……確か芸能活動してる子だったよね。本当にすごい人気だなぁ」
「そうですね。ファンが昇降口で騒ぐのは勘弁してほしいなって思っちゃいますけど……」
剣菱先輩が微笑ましく見守る隣で、微妙な口角の上げ方をする私。
別に鳰くんは悪くないのに、このままだと鳰くんにヘイトが向いちゃいそうだ……。
「月森、ちょっといいか?」
「は、はい!」
心の中で「ごめんね……」と鳰くんに頭を下げつつ挨拶をする私に、不意に声がかけられた。
背後からの呼び出しに声が上ずりそうになったけど、冷静にくるっと後ろを向く。
そこにいたのは先ほど伊狩くんからお菓子を募集していた生活指導の先生で、私の担任。
先生の腕には売り物のようなクッキーが入った袋が抱えられていて、一瞬だけ美味しそうだと思ってしまった。
「悪いな、いきなり声かけて」
「いえ、大丈夫ですよ。どうしたんですか?」
「あの子……確か芸能活動してる子だったよね。本当にすごい人気だなぁ」
「そうですね。ファンが昇降口で騒ぐのは勘弁してほしいなって思っちゃいますけど……」
剣菱先輩が微笑ましく見守る隣で、微妙な口角の上げ方をする私。
別に鳰くんは悪くないのに、このままだと鳰くんにヘイトが向いちゃいそうだ……。
「月森、ちょっといいか?」
「は、はい!」
心の中で「ごめんね……」と鳰くんに頭を下げつつ挨拶をする私に、不意に声がかけられた。
背後からの呼び出しに声が上ずりそうになったけど、冷静にくるっと後ろを向く。
そこにいたのは先ほど伊狩くんからお菓子を募集していた生活指導の先生で、私の担任。
先生の腕には売り物のようなクッキーが入った袋が抱えられていて、一瞬だけ美味しそうだと思ってしまった。
「悪いな、いきなり声かけて」
「いえ、大丈夫ですよ。どうしたんですか?」

