報道陣や警察の密集の中、何とかホームから出ることができ、私と美穂ちゃんはお目当てのスイパラに向かう。
初江王は美穂ちゃんに挨拶してどっか行った。何やら大切な用事があったらしく、亡者に軽くイラついていたのはその用事に遅れそうだったかららしい。
「えっと、確か次の角を曲がったところにあるよ」
「本当?楽しみだね!」
「へー、こんなとこにあるんだ」
......何故か変成くんもいる。聞けば暇だったからとのこと。
「楓くんも甘いもの好きなんだね!」
「まぁ、辛いものよりは好きだよ」
わいわい三人ではしゃぎながらお店を目指す。
スイパラはビルの五階の一室に入っていた。
エレベーターを降りると、店前には行列ができており、繁盛しているようだった。
私達はそこの最後尾に並び、順番を待つ。
「結構混んでるね〜!」
美穂ちゃんが列の前方を覗き込みながら、嬉しそうに言った。
「まぁ土曜だしね。甘いもの目当ての人間、多いんだよ」
「なるほど」
数分待っていると、ようやく店に入ることができた。
席に案内され、お皿を持ってケーキなどが並ぶテーブルに向かう。
白いテーブルクロスの上には、ショートケーキやチョコレートケーキ、旬の果物を使ったムースやゼリーがずらりと並んでいる。
その隣には、お味噌汁やうどん、カレーやパスタまで―――軽食の列も充実していた。
(凄い......!!)
初めて来るスイパラに目を輝かしていると、一皿目を取り終えた美穂ちゃんが私に声をかけてくれる。
「あと、あっちの方に果物もあったから。私戻っとくね〜」
と言って、テーブルに戻って行った。
果物もあるなんて......もしかしてもスイパラって天国!?
どれにしようか迷っていたら、前を向いていなかったので、誰かに肩がぶつかってしまった。
「すまない。怪我はないか?」
「あ、すみませ―――」
顔を上げてびっくり!
私がぶつかったのは、桃のムースを持っている初江王。
「え!?」
「は?」
初江王は私を見て固まっている。私も固まっている。
「まさかこんな所で会うとは......」
「それはこっちのセリフだ......」
しかし、初江王は何も乗っていない私のお皿を見て、形の良い眉をひそめる。
「何も乗ってないじゃないか」
「あー......沢山種類があってどれにしようか迷ってて」
「軽めの方が私は好きだが......甘いものの後に軽食を挟むと胃もたれせずに食べられる」
そう言って、初江王は自分の皿に乗っていた桃のムースをひとつ、私の皿にそっと乗せた。
「え、良いの!?」
「良い。別に取りに行けば良いだけだからな。それに桃は美味い」
ぶっきらぼうに言いながらも、ちゃんとおすすめを教えてくれるあたり、なんだかんだ優しい。
それから初江王のおすすめを何個か教えてもらい、テーブルに戻る。
「おかえり〜」
「遅かったね」
テーブルに戻れば、ケーキと果物を食べている美穂ちゃんとキャラメルマキアート(アイス)を飲んでいる変成くんが談笑していた。
(仲良くなってる......!)
「このケーキ美味しいよね〜」
美穂ちゃんがうっとりとした表情で呟く隣で、私はレアチーズケーキに手を伸ばす。
ぱくっと一口食べると、口の中に爽やかな酸味と甘みが広がって......
「美味しい!」
めちゃくちゃ美味しかった。
「へー良かったじゃん」
頬杖をつきながら変成くんが言う。
それからスイーツや果物や軽食を食べて、満腹のままお会計を済ませて店を出た。
「美味しかった〜」
「ねー!あんなにコンソメスープが美味しいなんて......」
そう。初めはスイーツを中心に食べていたのだが、甘いものの後に食べるしょっぱいものは美味しい!ということに気づいてからは、甘いものと交互にコンソメスープを飲んでいた。最後らへんは、そればっかり飲んでいた。
コンソメスープやらカレーなどが置いてあった理由がなんとなく分かった気がするよ。
あれは、激甘対策だったんだね......!
美穂ちゃんと別れて帰り道を歩く。しばらく歩いていると、スーパーの看板を見つけて、ハッと思い出した。
「閻魔にお土産買ってくるの忘れた......」
(流石にお金を貰っといて、何もしないっていうのも何だかなぁ......黒鬼さんには胃薬買ったし)
とりあえずスーパーで板チョコを一枚購入。
「よし、これでいっか」
「まぁ、あの人のせいで俺達が尻拭いさせられているからね」
変成くんが「良いんじゃない?」と苦笑した。
初江王は美穂ちゃんに挨拶してどっか行った。何やら大切な用事があったらしく、亡者に軽くイラついていたのはその用事に遅れそうだったかららしい。
「えっと、確か次の角を曲がったところにあるよ」
「本当?楽しみだね!」
「へー、こんなとこにあるんだ」
......何故か変成くんもいる。聞けば暇だったからとのこと。
「楓くんも甘いもの好きなんだね!」
「まぁ、辛いものよりは好きだよ」
わいわい三人ではしゃぎながらお店を目指す。
スイパラはビルの五階の一室に入っていた。
エレベーターを降りると、店前には行列ができており、繁盛しているようだった。
私達はそこの最後尾に並び、順番を待つ。
「結構混んでるね〜!」
美穂ちゃんが列の前方を覗き込みながら、嬉しそうに言った。
「まぁ土曜だしね。甘いもの目当ての人間、多いんだよ」
「なるほど」
数分待っていると、ようやく店に入ることができた。
席に案内され、お皿を持ってケーキなどが並ぶテーブルに向かう。
白いテーブルクロスの上には、ショートケーキやチョコレートケーキ、旬の果物を使ったムースやゼリーがずらりと並んでいる。
その隣には、お味噌汁やうどん、カレーやパスタまで―――軽食の列も充実していた。
(凄い......!!)
初めて来るスイパラに目を輝かしていると、一皿目を取り終えた美穂ちゃんが私に声をかけてくれる。
「あと、あっちの方に果物もあったから。私戻っとくね〜」
と言って、テーブルに戻って行った。
果物もあるなんて......もしかしてもスイパラって天国!?
どれにしようか迷っていたら、前を向いていなかったので、誰かに肩がぶつかってしまった。
「すまない。怪我はないか?」
「あ、すみませ―――」
顔を上げてびっくり!
私がぶつかったのは、桃のムースを持っている初江王。
「え!?」
「は?」
初江王は私を見て固まっている。私も固まっている。
「まさかこんな所で会うとは......」
「それはこっちのセリフだ......」
しかし、初江王は何も乗っていない私のお皿を見て、形の良い眉をひそめる。
「何も乗ってないじゃないか」
「あー......沢山種類があってどれにしようか迷ってて」
「軽めの方が私は好きだが......甘いものの後に軽食を挟むと胃もたれせずに食べられる」
そう言って、初江王は自分の皿に乗っていた桃のムースをひとつ、私の皿にそっと乗せた。
「え、良いの!?」
「良い。別に取りに行けば良いだけだからな。それに桃は美味い」
ぶっきらぼうに言いながらも、ちゃんとおすすめを教えてくれるあたり、なんだかんだ優しい。
それから初江王のおすすめを何個か教えてもらい、テーブルに戻る。
「おかえり〜」
「遅かったね」
テーブルに戻れば、ケーキと果物を食べている美穂ちゃんとキャラメルマキアート(アイス)を飲んでいる変成くんが談笑していた。
(仲良くなってる......!)
「このケーキ美味しいよね〜」
美穂ちゃんがうっとりとした表情で呟く隣で、私はレアチーズケーキに手を伸ばす。
ぱくっと一口食べると、口の中に爽やかな酸味と甘みが広がって......
「美味しい!」
めちゃくちゃ美味しかった。
「へー良かったじゃん」
頬杖をつきながら変成くんが言う。
それからスイーツや果物や軽食を食べて、満腹のままお会計を済ませて店を出た。
「美味しかった〜」
「ねー!あんなにコンソメスープが美味しいなんて......」
そう。初めはスイーツを中心に食べていたのだが、甘いものの後に食べるしょっぱいものは美味しい!ということに気づいてからは、甘いものと交互にコンソメスープを飲んでいた。最後らへんは、そればっかり飲んでいた。
コンソメスープやらカレーなどが置いてあった理由がなんとなく分かった気がするよ。
あれは、激甘対策だったんだね......!
美穂ちゃんと別れて帰り道を歩く。しばらく歩いていると、スーパーの看板を見つけて、ハッと思い出した。
「閻魔にお土産買ってくるの忘れた......」
(流石にお金を貰っといて、何もしないっていうのも何だかなぁ......黒鬼さんには胃薬買ったし)
とりあえずスーパーで板チョコを一枚購入。
「よし、これでいっか」
「まぁ、あの人のせいで俺達が尻拭いさせられているからね」
変成くんが「良いんじゃない?」と苦笑した。



