止めた足を踏み出した。向かった先に何があるのか。伊織の気を引いたものは何なのか。早く見たい。早く知りたい。伊織に関連する情報は全部欲しい。何だって欲しい。
気づけば大股の早歩きになっていた。今にも駆け出してしまいそうだった。自制した。我慢した。この最終局面で衝動に駆られてしまったら、計画が水の泡となる恐れがある。冷静さを失ってはならない。
伊織が曲がった場所まで辿り着いてすぐ、翔真は顔を横に向けた。短い下り坂の先に、滑り台やブランコなどの遊具があった。公園だ。
遊びに入ったわけではあるまいと伊織を探すと、設置されたベンチの辺りでしゃがんでいるのを見つけた。何気なくその足元に目を向けて。息が止まった。
猫がいた。白と黒の毛色をした猫がいた。野良猫だろうか。伊織は野良猫に引き寄せられたのだろうか。
猫は伊織を警戒していない。寧ろ媚びるように、甘えるように、自ら伊織に擦り寄っている。家を飛び出した飼い猫の可能性が浮上したが、そのような距離感でもない気がした。
伊織は手の甲で猫を撫でている。伊織に心を開いているらしい猫は逃げない。完璧にコミュニケーションが取れているのを見るに、猫との触れ合いは昨日今日に始まった話ではないことが窺えた。伊織はかなりの頻度で猫と戯れているのではないか。
滅多に見られないであろう珍しい光景を、翔真は目に焼き付けた。目に、焼き付けた。そこで翔真はハッとなった。鋭い刃物で身体を刺し貫かれたかのように、翔真の中で閃きがパチンと弾けた。
伊織と猫。親友と猫。イケメンと猫。かっこいいとかわいいの融合。SNSで受けそうな画。興味を引きそうな画。これを収めないでどうするのか。
翔真は忙しない動作でスマホを引っ張り出した。伊織が猫と別れる前に、この眼福な画を撮らなければ。こういうことがあったと言葉で説明するよりも、画像を載せて視覚的に訴えかけた方が伝わりやすい。おまけに、親友はイケメンであることの証明にもなる。
気づけば大股の早歩きになっていた。今にも駆け出してしまいそうだった。自制した。我慢した。この最終局面で衝動に駆られてしまったら、計画が水の泡となる恐れがある。冷静さを失ってはならない。
伊織が曲がった場所まで辿り着いてすぐ、翔真は顔を横に向けた。短い下り坂の先に、滑り台やブランコなどの遊具があった。公園だ。
遊びに入ったわけではあるまいと伊織を探すと、設置されたベンチの辺りでしゃがんでいるのを見つけた。何気なくその足元に目を向けて。息が止まった。
猫がいた。白と黒の毛色をした猫がいた。野良猫だろうか。伊織は野良猫に引き寄せられたのだろうか。
猫は伊織を警戒していない。寧ろ媚びるように、甘えるように、自ら伊織に擦り寄っている。家を飛び出した飼い猫の可能性が浮上したが、そのような距離感でもない気がした。
伊織は手の甲で猫を撫でている。伊織に心を開いているらしい猫は逃げない。完璧にコミュニケーションが取れているのを見るに、猫との触れ合いは昨日今日に始まった話ではないことが窺えた。伊織はかなりの頻度で猫と戯れているのではないか。
滅多に見られないであろう珍しい光景を、翔真は目に焼き付けた。目に、焼き付けた。そこで翔真はハッとなった。鋭い刃物で身体を刺し貫かれたかのように、翔真の中で閃きがパチンと弾けた。
伊織と猫。親友と猫。イケメンと猫。かっこいいとかわいいの融合。SNSで受けそうな画。興味を引きそうな画。これを収めないでどうするのか。
翔真は忙しない動作でスマホを引っ張り出した。伊織が猫と別れる前に、この眼福な画を撮らなければ。こういうことがあったと言葉で説明するよりも、画像を載せて視覚的に訴えかけた方が伝わりやすい。おまけに、親友はイケメンであることの証明にもなる。



