あれこれと理由を作っているうちに、親友に勧められて買ってみた、というストーリーにもできることに気づく。これは使える。一気に親友らしい関係になる。絶対に使える。証拠として画像も載せれば、目につきやすくなって何かしらの反応が貰えるかもしれない。買うしかない。買う以外の選択肢はなくなった。
購買意欲が消失してしまう前に、翔真はレジへ向かった。道すがら文庫売り場の方を見遣ったが、正面にいた伊織はいなくなっていた。棚のある方に移動して物色しているのだろうと踏み、レジで待っていた店員にシャーペンを渡す。支払いを終えたら伊織の観察を再開しようと心に決め、財布の紐を緩めた。
千円札と端数分の小銭をトレイに置き、釣り銭とレシート、商品を受け取って無造作に振り返る。瞬間、翔真は腰を抜かしそうになった。いつの間にか後ろに並んでいた人物を目にして、声にならない声が漏れた。心臓がドクドクと早鐘を打ち始める。瞬く間に身体が熱くなり、嫌な汗すら吹き出しそうになる。
予期せぬ展開に黒目が右へ左へ忙しなく動いた。翔真は完全に狼狽えていた。音もなく静かに順番待ちしていた伊織を前に、全くもって動揺を隠せなかった。唐突すぎて言葉も見つからず、最早パニック状態である。準備していたもしもの時の対応も驚くほど一瞬で吹き飛んでいた。
「お客様、どうされました?」
金を支払ってから突然動かなくなった翔真に、店員が不思議そうに声をかけてきた。我に返った翔真は、すみません何でもないです、とぼそぼそと早口に告げ、道を開ける。
順番を待っていた伊織の視線が僅かに下がった。一人で動揺する翔真の手元を見ているようだった。
買った商品を見られているのを察した翔真は、手にしていたシャーペンを隠す仕草をしてしまう。自分が使っているものと同じだと気づいたかもしれないが、しかし伊織は何も言わずに歩みを進めた。
購買意欲が消失してしまう前に、翔真はレジへ向かった。道すがら文庫売り場の方を見遣ったが、正面にいた伊織はいなくなっていた。棚のある方に移動して物色しているのだろうと踏み、レジで待っていた店員にシャーペンを渡す。支払いを終えたら伊織の観察を再開しようと心に決め、財布の紐を緩めた。
千円札と端数分の小銭をトレイに置き、釣り銭とレシート、商品を受け取って無造作に振り返る。瞬間、翔真は腰を抜かしそうになった。いつの間にか後ろに並んでいた人物を目にして、声にならない声が漏れた。心臓がドクドクと早鐘を打ち始める。瞬く間に身体が熱くなり、嫌な汗すら吹き出しそうになる。
予期せぬ展開に黒目が右へ左へ忙しなく動いた。翔真は完全に狼狽えていた。音もなく静かに順番待ちしていた伊織を前に、全くもって動揺を隠せなかった。唐突すぎて言葉も見つからず、最早パニック状態である。準備していたもしもの時の対応も驚くほど一瞬で吹き飛んでいた。
「お客様、どうされました?」
金を支払ってから突然動かなくなった翔真に、店員が不思議そうに声をかけてきた。我に返った翔真は、すみません何でもないです、とぼそぼそと早口に告げ、道を開ける。
順番を待っていた伊織の視線が僅かに下がった。一人で動揺する翔真の手元を見ているようだった。
買った商品を見られているのを察した翔真は、手にしていたシャーペンを隠す仕草をしてしまう。自分が使っているものと同じだと気づいたかもしれないが、しかし伊織は何も言わずに歩みを進めた。



