たった一言を送るのにうんうんと唸る時間が長く続いた。連絡先を追加して発生した熱が徐々に冷めていく。
やっと追加する選択を取れたと思ったら、今度は何とメッセージを送るかで懊悩してしまう。どんどん自分が情けない人間に思えてくる。悩めば悩むほど自己嫌悪に陥り、卑屈な部分に拍車がかかるようだった。
しっくりくる言葉が見つからないまま、思考だけがぐるぐると回転する。変に考えすぎているせいか、頭痛がし始めた。
何でもいいから送ればいい。分かっている。何を送ろうと相手は気にしない。分かっている。悩んでいる時間が無駄でしかない。分かっている。分かっているのに、上手く言葉が出てこない。
対面でも口下手で、画面上でも口下手など、コミュ力が絶望的になさすぎて涙が出そうになった。
挫けてしまった翔真は、メッセージを送るのを中止した。静かにスマホを閉じる。背凭れに体重を預け、盛大な溜息を吐く。メモ用紙と目が合う。伊織の連絡先。追加した今、もう必要はなかったが、なぜか捨てる気はしなかった。
翔真は伊織の丁寧な文字を指でなぞってから、メモを引き出しにしまった。考えることを放棄し、意味もなく机の一点を見つめたりゆっくりと瞳を動かしたりして時間を潰す。
一冊の本が目に入った。書店のカバーが付けられている。表紙は見えないが、何を買ったかは覚えていた。ただ、一ページも読めていない。
気晴らしに本に触れようと手を伸ばした時、滅多に鳴らないスマホが鳴った。親からだろうか、と無警戒なまま画面を覗き込んで、心臓がドンッと特大な音を打ち鳴らした。目が離せなくなる。瞬きすらも忘れてしまう。
【言い忘れていたことがある】
追加した翔真よりも先に届いた伊織からのメッセージは、部屋での会話の続きのような温度感があった。翔真が連絡先を追加すると確信していたみたいな言葉選びでもあった。
やっと追加する選択を取れたと思ったら、今度は何とメッセージを送るかで懊悩してしまう。どんどん自分が情けない人間に思えてくる。悩めば悩むほど自己嫌悪に陥り、卑屈な部分に拍車がかかるようだった。
しっくりくる言葉が見つからないまま、思考だけがぐるぐると回転する。変に考えすぎているせいか、頭痛がし始めた。
何でもいいから送ればいい。分かっている。何を送ろうと相手は気にしない。分かっている。悩んでいる時間が無駄でしかない。分かっている。分かっているのに、上手く言葉が出てこない。
対面でも口下手で、画面上でも口下手など、コミュ力が絶望的になさすぎて涙が出そうになった。
挫けてしまった翔真は、メッセージを送るのを中止した。静かにスマホを閉じる。背凭れに体重を預け、盛大な溜息を吐く。メモ用紙と目が合う。伊織の連絡先。追加した今、もう必要はなかったが、なぜか捨てる気はしなかった。
翔真は伊織の丁寧な文字を指でなぞってから、メモを引き出しにしまった。考えることを放棄し、意味もなく机の一点を見つめたりゆっくりと瞳を動かしたりして時間を潰す。
一冊の本が目に入った。書店のカバーが付けられている。表紙は見えないが、何を買ったかは覚えていた。ただ、一ページも読めていない。
気晴らしに本に触れようと手を伸ばした時、滅多に鳴らないスマホが鳴った。親からだろうか、と無警戒なまま画面を覗き込んで、心臓がドンッと特大な音を打ち鳴らした。目が離せなくなる。瞬きすらも忘れてしまう。
【言い忘れていたことがある】
追加した翔真よりも先に届いた伊織からのメッセージは、部屋での会話の続きのような温度感があった。翔真が連絡先を追加すると確信していたみたいな言葉選びでもあった。



