そのキス、契約違反です。





悠真の体がゆっくりと崩れ落ちる、その瞬間。

彼は、確かに笑っていた。



「……ああ」



床に倒れる寸前、掠れた声が聞こえる。



「やっぱり君は、俺の思った通りだ」



——それが、最後の言葉だった。



私は銃を下ろす。

けれど、目の前に広がるはずの赤い色はどこにもなかった。




………私が撃ったこれは、麻酔銃だから。


律に過去を聞いた後、 Aegis(イージス)に特注で麻酔銃用の弾を作ってもらっていた。




悠真は最後まで“実弾”だと思っていた。

それでいい。



これが、私のやり方。



これが、私の答えだった。