そのキス、契約違反です。




悠真は懐から何かを取り出すと、軽く放るように床へ投げた。

金属音が大きく響く。



——銃。



さっき没収された、私のもの。



「返すよ」



悠真は両手を上げるでもなく、ただそこに立ったまま私を見ていた。



「君の意思は変わらなそうだから。」



そう言って、もう一つ銃を取り出した。


その銃口がまっすぐ私に向けられる。


今まで一度も向けられなかった殺意。

それが、はっきりと私に向けられているのが分かる。



蓮も律も、息を呑んだまま動けない。

誰かが割り込めば、取り返しがつかないことになるかもしれない。



「俺の隣に来てくれないなら、君が俺を終わらせてよ。この呪いを」



静かな声だった。

脅しでも、挑発でもない。



「君が引き金を引けば、全部片がつく。君がやらないなら、俺は君を壊す」



その言葉に、心臓が強く打つ。


……銃。


守れなかった過去と、消えない後悔が、全部そこに染みついている。