そのキス、契約違反です。





「あなたの目的はなんですか」



こっちだって逃すつもりはない。

ここまで来た以上、曖昧な言葉で濁される気はなかった。


悠真は一拍置いて、淡々と口を開いた。



「俺は、 Nocturne(ノクターン)の二代目首領。」



——二代目、首領?


思わず言葉を失った。

つまり、悠真は水城怜の後を継ぐ Nocturne(ノクターン)の現首領。


立場のある人間だとは思っていたけど…まさかそこまでとは。



「キミが撃った先代首領に、幼い頃拾われた」



悠真は、私を見た。


「でも、前にも言ったけど俺個人は君を恨んでない。むしろ感謝してる」


……それ、意味がわからないんだよね。


「…首領になりたかったから?」

「違う」


即答だった。



「俺は、あの人みたいにはなりたくない」



その声音には、怒りも、憎しみもない。



「拾われてなかったら俺はとっくに死んでたと思う。育ててくれたこと自体は感謝してる」



一瞬、言葉が途切れる。



「でも結局、俺は“道具”として拾われただけだ」



その目は、驚くほど冷たくて。