ずっと、私が撃ったと思っていた。
でも、撃ったのは───律だった、という事実。
正直、複雑だった。
……どこかほっとしてしまった自分は、いる。
でも。
両親の仇を打ったのは、私じゃなかった。
……私がちゃんと撃てていれば、律は撃たなくて済んだ。
そう思ってしまう自分も、確かにいた。
「……」
言葉が見つからず視線を落としたままの私に、律が低く息を吐いたのがわかった。
少しだけ間を置いてから、律は続ける。
「言っておくけど。あの時俺が撃ったのは、彩葉のためじゃない」
心臓が、どくんと跳ねる。
私のせいで、とは言わせてくれないつもりだ。
「……律」
「俺は任務だから引き金を引いた。」
きっぱりと、そう言われた。
それは、分かってるけど……。
「彩葉は何も悪くない。……10歳で、初めて拾った銃で即座に正確に人を撃ち抜ける方がおかしいんだよ。」
じゃあ、この8年間は?
夜中に何度も目を覚ましたことも。
血の匂いを思い出して、息ができなくなったことも。
引き金に指をかけるたびに、震えが止まらなくなったことも。
全部、無意味だったの?

