送風機に内蔵された核に魔力を蓄積し、それを消費して羽根を回転させる設計。
魔力はかなり効率のいい動力源なので、核の魔力を一度満タンにするだけで一カ月は回転し続けるほどである。
すでに魔力は充填されているので、あとはスイッチを押せばいいだけだ。
それではいよいよ手作り送風機の性能を確認するとしよう。
ロビンとふたりで送風機の前に座り、人差し指をキランッ!と光らせてスイッチへと伸ばした。
スイッチ、オン!
「ぶわあああぁぁぁ!!!」
「ぶわあああぁぁぁ!!!」
凄まじい威力の風に、アウルとロビンの髪がぶわっ!と花開いた。
すごい風だ。結構いい性能の扇風機をいきなり〝強〟で起動したぐらいの勢いを感じる。
アウルたちの声と送風機の音が部屋に響き、それを後ろで聞いていたフェンリルが驚いて立ち上がっていた。
フェンリルは「大丈夫?」と言わんばかりに心配した様子でこちらを見てきて、アウルは「だいじょうぶ~~~」と声を振動させながら手を振る。
次いで落ち着くためにスイッチをオフにし、ボサボサ髪になったロビンと目を合わせた。
「び、びっくりちたねー!」
「首から上だけ飛ばされるかと思いましたよ!」
大袈裟な気もするが、この世界の人からしたらそれくらい衝撃的に映っても仕方がない。
弱々しい風しか起こせない送風機から、髪が逆立つ勢いの強風が出てきたのだから。
ともあれこれは大成功と言えるだろう。
画期的な形の羽根で、とてもいい風が起こせている。
暑い時期にぴったりの涼しい一品だ。
しかも風の強さにしてはそれなりに静かで、風の流れも散布することなく一定方向に集中できている。
自分でも思っていた以上に、湾曲した羽根というのは効果的な形になっていたようだ。
「はじめてだったけど、だいしぇーこーだねー!」
「はい! 私が知っている送風機とは比べ物にならないほど実用的なものですよ!」
「クロウおにいしゃまにもみせるー!」
「そうですね、きっと驚かれると思います! さっそく参りましょう」
送風機の出来栄えに浮かれて、ロビンとふたりでウキウキになりながら執務室へ向かうことにする。
本体がそれなりに重たくて、「ん~!」と持ち上げられずに頑張っていると、ロビンが代わりに送風機を持ってくれた。
そして執務室へ辿り着くと、クロウがロビンの手に抱えられている送風機を見て心なしか安堵したように息を吐く。
「無事にできたようだな。その髪を見るに改良も成功したと思ってよさそうだな」

