相も変わらずアウルのノックだとすぐに気付いたらしく、即座に入室の許可を出してくれる。
そしてロビンと共に中に入ると、いつもはいない侍女と一緒だったからか少しクロウの黒目が大きくなった。
「ロビンも一緒だったか。で、ふたりしてなんの用だ?」
「クロウおにいしゃま、まどーぐちゅくってもいいでしゅか?」
「好きにしろ」
まさかの即答。
魔道具の製作は少なからずトラブルの火種になる可能性があるので、クロウは渋るものだとばかり思っていた。
その気持ちはロビンも同じだったようで、彼女は意外そうな顔でクロウに問いかける。
「あ、あっさりお許しになるのですね……。てっきりまだ魔力操作の練習に専念しろと仰るかと」
「ロビンもわかっているだろうが、アウルの成長速度は目覚ましい。毎日勤勉に魔力操作の練習に取り組み、契約精霊に魔力を流す過程で魔力の感覚も充分に掴めてきている。今さら魔力の過剰放出で素材を爆発などはさせないだろう」
思った以上にクロウから評価されていると知り、アウルは目をぱちくりとさせる。
恩人であり尊敬する人物であるクロウにここまで言ってもらえて、密かに嬉しさの方を爆発させた。
「ただし製作する魔道具はなるべく危険が少ないものにしろ。魔力操作が上達しても粗悪な魔物素材を使えば自ずと危険が伴う。火や雷に関連した魔道具を作ろうとすれば、最悪火傷や火事に繋がるからな」
「はい、かしこまりました」
ロビンが華麗な所作でクロウに頭を下げるのを横目に、アウルは少し考える。
作ってもいい魔道具は危険が少ないもの。
火や雷に関連したものは火傷や火事に繋がってしまうため禁止。
それでいて今作りたい魔道具となると……
「〝かぜ〟をおこちてくれるまどーぐはいいでしゅか?」

