勉強の休憩時間となり、アウルはさっそくロビンとフェンリルを連れて厨房へとやってきた。
ロビンにお願いをして、氷室の貯蔵庫から生クリームを持ってきてもらう。
厨房にあった砂糖も用意しておき、ボウルをふたつ並べてこれで準備完了だ。
前世で見慣れたホイップクリーム作りの光景を前に、胸の高鳴りが収まらない。
珍しく厨房にアウルとフェンリルがいるためか、廊下の掃除や夕餉の仕込みをしている使用人たちが気になった様子でこちらを見ていた。
「アウル様たちは今からなにをなさるのでしょうか?」
「見たところ生クリームを用意していらっしゃるようですが……?」
ホイップクリームを知らない人たちばかりなので、準備された物を見てもなにを作ろうとしているかピンと来ていないらしい。
これは脅かせ甲斐があると思いながら、いよいよホイップクリーム作りに取りかかった。
まずはフェンリルの前にボウルをひとつ置く。
「フェンリルしゃん、まりょくあげるからここにこおりだちて」
「ガウ!」
次いでフェンリルの体に触れながら、最近ますます上達してきた魔力操作を行いフェンリルに魔力を流す。
するとフェンリルの体がほのかに光り、口から白い冷気を出してくれた。
それは一瞬にして氷に変わり、ガラガラガラとボウルの中に積み上がっていく。
やがて三分の一ほど埋めたところで魔力供給をやめた。
「あいがとフェンリルしゃん、よちよち」
「クゥン」
褒めるように撫でると、嬉しそうに頭を押しつけてくる。
フェンリルが契約精霊としてしっかり役目を果たしてくれたおかげで、貴重である氷を無事に確保できた。
続いて氷を入れたボウルに少しだけ水を入れ、ぐるぐるかき混ぜて氷多めのキンキンの氷水を完成させる。
その上にもうひとつボウルを置き、生クリームを泡立てるための形ができ上がった。

