転生して捨てられたボク、最恐お義兄さまに拾われる~無能と虐げられたけど辺境で才能開花⁉~

 検査の様子を見守っていたロビンが口をあんぐりと開ける。
 クロウはすでにそのことを予想していたのか、得心したように小さく頷いていた。

(何百倍の魔力を……俺が……?)

 アウルはアウルで、言われた意味を理解するのに少し時間がかかった。
 やがてそれをのみ込むと、精霊記の時に抱いた疑問も自ずと解消される。

「じゃあ、しぇいれいきをよんでも、だいじょうぶだったのは……」

「アウルが常人離れした量の魔力を持っていたおかげだな」

 精霊記に封じ込められている精霊に魔力を食われても、余りある魔力量で枯渇症状が起きなかったのだ。
 一日に何ページ読み進めても、ほんの少し眠気が襲ってくるくらいの影響しかなかった。
 まさか自分の魔力がそんな特別なものだったと思わず、アウルは自分の体を見下ろしながら呆然とする。
 そんなアウルに、クロウは改めて光り輝く才能について告げた。

「これだけの魔力があれば、魔力消費が激しい複雑な魔道具の製作もいずれできるようになる。ひとりで莫大な数の魔法薬の製作もできるようになる。別の精霊記を読んで新たな精霊とも契約ができるだろう。アウルには確かな才能があったんだ」

「……」

 血染めの貴公子にそう言ってもらえて実感が湧いてくる。
 あれだけ無能と蔑まれていた自分が。
 存在価値がないからと家まで追い出された自分が。
 こんな意外な才能を持っていたなんて思わなかった。
 父のドレイクは魔力の色だけに目を向けていたから、魔力量の異常な多さには気が付かなかったみたいだが。

(複雑な魔道具の製作に、魔法薬の大量生産。それに新しい精霊たちとの契約か……)

 自分にも確かな才能があることがわかって、今後がすごく楽しみになる。
 自分にしかできないことがあるというのはなんとも素晴らしい。
 なによりお世話になっている人たちの役に、ちゃんと立てるような力があると知れたのが一番嬉しいことだった。
 人知れず小さな手を握りしめて喜びを噛みしめていると、不意にクロウが頭にポンと手を置いてきた。

「これから期待しているぞ、アウル」

「……はい!」

 クロウからの厚い信頼に、アウルは満面の笑みを浮かべて頷き返したのだった。