精霊記からフェンリルが飛び出してきて三日が経った。
屋敷の人たちへの周知も行き届き、最初こそ大層驚かれたが、フェンリルは晴れてこの屋敷の住人として認められた。
そしてクロウは、アウルに関してなにかに気付いたらしく、ある人物を領地外から呼び寄せた。
「お呼びいただいてありがとうございます。私は『魔(ま)法(ほう)医(い)』のピーコックと申します」
魔力に関する身体的異常を専門に調べている、魔法医と呼ばれる人物である。
世界でも数が少ない職業らしく、このガーディニア王国にはひとりしかいないらしい。
そんな貴重な人物は、名前をピーコックと言い、白髪頭に白い口髭を蓄えたおじいさんだった。
パグみたいに顔がくしゃっとなっていて、小さな体に合っていないダボダボな白衣を床で引き摺っている。
「それで、こちらのアウル様の体をお調べすればよろしいのですよね?」
「あぁ。〝魔力〟に関して詳しい検査をしてほしい」
どうやらクロウは、精霊記の一件を受けてアウルの魔力に違和感を覚えたらしい。
その違和感を晴らすために、わざわざ魔法医を呼びつけてアウルの魔力を調べようと考えたようだ。
アウルの私室には本人の他に、クロウとピーコック、侍女のロビンとフェンリルの三人と一匹が集まっている。
クロウの指示でピーコックがアウルの前に膝をつき、カバンからなにやら道具を取り出し始めた。
一般的な魔力検査用の魔道具では、魔力の色しか調べることができない。
しかし魔法医が持つ専門的な魔道具と知識があれば、より詳しくその人の魔力の情報を知ることができる。
トランシーバーに似たなにかだったり、顕微鏡に似たなにかを取り出して、ピーコックがテキパキと作業を進める光景を、他の全員が不安げな様子で見つめる。
やがてルーペのような道具でアウルの目をジッと見ていたピーコックが、目を見開いて驚愕をあらわにした。
「こ、これは……」
どうやら検査が終了したようで、ピーコックがクロウの方を向き直って告げる。
「確かにお話に聞いていた通り、アウル様の魔力は無色透明で魔法を扱えない体となっております。しかしその魔力の量が、常人の〝何百倍〟以上も内包されております」
「な、何百倍!?」
屋敷の人たちへの周知も行き届き、最初こそ大層驚かれたが、フェンリルは晴れてこの屋敷の住人として認められた。
そしてクロウは、アウルに関してなにかに気付いたらしく、ある人物を領地外から呼び寄せた。
「お呼びいただいてありがとうございます。私は『魔(ま)法(ほう)医(い)』のピーコックと申します」
魔力に関する身体的異常を専門に調べている、魔法医と呼ばれる人物である。
世界でも数が少ない職業らしく、このガーディニア王国にはひとりしかいないらしい。
そんな貴重な人物は、名前をピーコックと言い、白髪頭に白い口髭を蓄えたおじいさんだった。
パグみたいに顔がくしゃっとなっていて、小さな体に合っていないダボダボな白衣を床で引き摺っている。
「それで、こちらのアウル様の体をお調べすればよろしいのですよね?」
「あぁ。〝魔力〟に関して詳しい検査をしてほしい」
どうやらクロウは、精霊記の一件を受けてアウルの魔力に違和感を覚えたらしい。
その違和感を晴らすために、わざわざ魔法医を呼びつけてアウルの魔力を調べようと考えたようだ。
アウルの私室には本人の他に、クロウとピーコック、侍女のロビンとフェンリルの三人と一匹が集まっている。
クロウの指示でピーコックがアウルの前に膝をつき、カバンからなにやら道具を取り出し始めた。
一般的な魔力検査用の魔道具では、魔力の色しか調べることができない。
しかし魔法医が持つ専門的な魔道具と知識があれば、より詳しくその人の魔力の情報を知ることができる。
トランシーバーに似たなにかだったり、顕微鏡に似たなにかを取り出して、ピーコックがテキパキと作業を進める光景を、他の全員が不安げな様子で見つめる。
やがてルーペのような道具でアウルの目をジッと見ていたピーコックが、目を見開いて驚愕をあらわにした。
「こ、これは……」
どうやら検査が終了したようで、ピーコックがクロウの方を向き直って告げる。
「確かにお話に聞いていた通り、アウル様の魔力は無色透明で魔法を扱えない体となっております。しかしその魔力の量が、常人の〝何百倍〟以上も内包されております」
「な、何百倍!?」

