お許しが出たのでさっそく狼に近づいてみると、こちらに気付いた狼がピンと耳を張る。
瞬間、ダダッと向こうから駆け寄ってきて、クロウの時よりもさらに激しく甘える仕草をしてきた。
ペロペロと顔を舐め、ぐりぐりと頬ずりをし、アウルの周りをぐるぐると駆け回って、最後にはごろんと寝転がってお腹を見せてくる。
あまりにも友好的な姿勢に完全に警戒心が解けて、アウルは白狼のお腹をさすさすと撫で始めた。
「よちよち、いいこいいこ」
「クゥン」
実に嬉しそうな声を出してくれる。
お腹だけではなく頭や顎も満遍なく撫でて、白い毛の感触に心から癒やされた。
「もふもふだぁ……!」
前世では実家でも自分でもペットは飼っていなかったけれど、動物は大好きだった。
ひとりで犬カフェや猫カフェに足を運んだこともあり、いつかは自分でも飼ってみたいと思っていたほどである。
よもやこのような形で自分の住んでいる場所に動物が現れるとは思わなかったけれど。
「一見すると魔物のように見えるが、俺たちを襲う気配はまったくないな。なにがどうなってこれだけ大きな狼が……」
クロウが疑問を口にしかけたその時、彼の目が床に落ちている本を捉える。
今しがたアウルが読み終えて、突如として光を放ち始めた異質な絵本を。
瞬間、クロウはなにかに気付いたように息をのみ、すかさず絵本を拾い上げた。
そしてバッと本を開くと、ページを見つめる彼の目が大きく見開く。
「なにも……書かれて(・・・・)いない(・・・)」
「えっ!?」

