気付けば執務室を訪れるようになってから五日が経ち、読んでいた絵本も終盤に差しかかっていた。
子供ながらにウトウトしながら読み進めていたので、かなり時間をかけることになってしまったが、ようやくのことで今日その絵本の最後のページに辿り着く。
(こうして黒狼の群れで迫害されていた白狼は、実は精霊で強大な力を持っており、大災害から黒狼たちを助けて群れを引っ張る長にまでなったのでした。めでたしめでたし)
特別おもしろいというものでもなかったけれど、全体的には平和で前向きになれる内容だった。
子供が読むに相応しい絵本だと言える。
読み終えた達成感と少しの寂しさを覚えながら、アウルは人知れず感想を噛みしめて、ゆっくりと絵本を閉じていく。
パタンッと執務室に本を閉じた音が鳴った――その瞬間のことだった。
ピカッ! と絵本が光り始めた。
「えっ……?」
なんの前触れもなく起きた異常現象。
突如として視界を覆った白い光に、思わず全身が固まってしまう。
同時にクロウもその光に気が付いたようで、椅子が後ろに倒れる勢いで立ち上がっていた。
本から放たれる光はやがて執務室全体を覆い、ふたりの目の前を真っ白に染め上げる。
あまりの眩しさに目を瞑って、五秒ほど経ってから恐る恐る目を開けてみると、すでに本から溢れ出していた光は消えていた。
……が、代わりにとんでもないものが視界に飛び込んできた。
「ガウガウ!」
「……が、がう?」
アウルの目の前に、一匹の〝白い狼〟が立っていた。
子供ながらにウトウトしながら読み進めていたので、かなり時間をかけることになってしまったが、ようやくのことで今日その絵本の最後のページに辿り着く。
(こうして黒狼の群れで迫害されていた白狼は、実は精霊で強大な力を持っており、大災害から黒狼たちを助けて群れを引っ張る長にまでなったのでした。めでたしめでたし)
特別おもしろいというものでもなかったけれど、全体的には平和で前向きになれる内容だった。
子供が読むに相応しい絵本だと言える。
読み終えた達成感と少しの寂しさを覚えながら、アウルは人知れず感想を噛みしめて、ゆっくりと絵本を閉じていく。
パタンッと執務室に本を閉じた音が鳴った――その瞬間のことだった。
ピカッ! と絵本が光り始めた。
「えっ……?」
なんの前触れもなく起きた異常現象。
突如として視界を覆った白い光に、思わず全身が固まってしまう。
同時にクロウもその光に気が付いたようで、椅子が後ろに倒れる勢いで立ち上がっていた。
本から放たれる光はやがて執務室全体を覆い、ふたりの目の前を真っ白に染め上げる。
あまりの眩しさに目を瞑って、五秒ほど経ってから恐る恐る目を開けてみると、すでに本から溢れ出していた光は消えていた。
……が、代わりにとんでもないものが視界に飛び込んできた。
「ガウガウ!」
「……が、がう?」
アウルの目の前に、一匹の〝白い狼〟が立っていた。

