純白のホイップクリームで包まれたふわふわのスポンジケーキ。その上に一色だけ色を差すように飾られた真っ赤なイチゴ。
運び込まれてくるたくさんのホールケーキに、まだそれを見ていなかった使用人たちの視線が釘づけになる。
するとストークがケーキについて、軽くみんなに説明をしてくれた。
「こちらはアウル様とクロウ様、そしてフェンリル様がお作りになったデコレーションケーキというものだ。全員分あるから一切れずつ配っていくぞ」
すでにケーキがすごく気になっている使用人たちは、ウキウキした様子でケーキが配られるのを席で待っている。
そうして滞りなく全員に行き渡ると、そのタイミングで皆はケーキを食べ始めた。
瞬間、至る所から至福の声があがる。
「な、なんでしょうこの食感……! とっても美味しいです!」
「今まで食べたケーキとまったく違います!」
「ホイップクリームとの相性もばっちりですね!」
ホイップクリーム作りの時に知ったが、この屋敷にいる人たちは甘い物好きが多い。
だからきっとデコレーションケーキも気に入ってくれると思っていて、実際に目の前には笑顔の花畑が咲いていた。
アウルも今一度自分で作ったケーキを食べてみることにする。
前世で見慣れたものと相違ない、お皿にのった一切れのショートケーキ。
ケーキの先端にフォークを入れると、その瞬間にふわふわの感触が伝わってくる。
羽のように軽いクリームとスポンジケーキを丁寧に口に運ぶと、しっとりとした食感とミルクの風味が一気に広がった。
スポンジは焼き立ての時とは違ってただ押し返してくるのではなく、柔らかさが増していてしっとり感も出ている。
そこに濃厚なホイップクリームが溶け合い、軽い食感ながら一口で感じる旨味はなんとも強烈だった。
ホイップクリームを食すならこれが最適なスイーツだと断言したくなるほどの美味しさ。
(あぁ、幸せだぁ……。作ってみて本当によかった)
大好きなショートケーキに感動していると、ふと傍らから使用人たちの会話が聞こえてくる。

