「い、いたい……! いたいでしゅ……!」
「うるさいぞアウル! ヒルマイナが味わった痛みに比べたらこんなものなんでもないだろう! さっさとついてくるんだ」
次いで馬車小屋まで連行されると、ドレイクは従者を呼びつけて領地外へ捨ててくるように指示を出す。
その際のやり取りを聞いて、アウルはさらに絶望の底に落とされた。
「どの辺りに連れていけばよろしいですか?」
「『マグノリア領』に連れていけ。隣国のガーディニア王国の辺境にあるあれだ」
マグノリア領。
五歳のアウルでも聞き覚えのあるその場所は、凶悪な魔物が数多くいると噂の辺境地だ。
数年前には大規模な魔物災害に襲われて領地が半壊し、〝危険区域〟として指定されたと聞いたこともある。
そんな場所に捨てられてしまう。それすなわち〝死〟を意味する。
下手に帰ってこられても困るから、魔物に襲われて死ぬなら都合がいいということだろう。
しかしアウルに抗う術はなく、馬車に乗せられて噂の危険区域に連れていかれることになった。
魔法と魔道具によって補強された馬車は高速で草原を駆け抜け、丸一日走ることをやめず、隣国の辺境まで一日で到着してしまう。
そしてドレイクの従者はアウルを馬車から引き摺(ず)り降ろすと、地面に倒れるアウルに目もくれず、そのまま来た道を引き返していってしまった。
取り残された場所は方角もなにもわからない薄暗い森の奥地。
まだ昼間のはずなのに空が草木に覆われて夜のように暗く、不気味なくらい静かな場所だった。
魔物がいることを差し引いても、とても五歳の子供がひとりでいていい場所なんかではない。
(どうすればいい……? いくら頭が大人だからって、こんな小さな子供の体で危険地帯を生き抜いていけるはずがない)
仮にこの森を出られたとしても、その後はどこに行く?
「うるさいぞアウル! ヒルマイナが味わった痛みに比べたらこんなものなんでもないだろう! さっさとついてくるんだ」
次いで馬車小屋まで連行されると、ドレイクは従者を呼びつけて領地外へ捨ててくるように指示を出す。
その際のやり取りを聞いて、アウルはさらに絶望の底に落とされた。
「どの辺りに連れていけばよろしいですか?」
「『マグノリア領』に連れていけ。隣国のガーディニア王国の辺境にあるあれだ」
マグノリア領。
五歳のアウルでも聞き覚えのあるその場所は、凶悪な魔物が数多くいると噂の辺境地だ。
数年前には大規模な魔物災害に襲われて領地が半壊し、〝危険区域〟として指定されたと聞いたこともある。
そんな場所に捨てられてしまう。それすなわち〝死〟を意味する。
下手に帰ってこられても困るから、魔物に襲われて死ぬなら都合がいいということだろう。
しかしアウルに抗う術はなく、馬車に乗せられて噂の危険区域に連れていかれることになった。
魔法と魔道具によって補強された馬車は高速で草原を駆け抜け、丸一日走ることをやめず、隣国の辺境まで一日で到着してしまう。
そしてドレイクの従者はアウルを馬車から引き摺(ず)り降ろすと、地面に倒れるアウルに目もくれず、そのまま来た道を引き返していってしまった。
取り残された場所は方角もなにもわからない薄暗い森の奥地。
まだ昼間のはずなのに空が草木に覆われて夜のように暗く、不気味なくらい静かな場所だった。
魔物がいることを差し引いても、とても五歳の子供がひとりでいていい場所なんかではない。
(どうすればいい……? いくら頭が大人だからって、こんな小さな子供の体で危険地帯を生き抜いていけるはずがない)
仮にこの森を出られたとしても、その後はどこに行く?

