ちなみに彼らは当然ながら爵位を剥奪されて、今は別の高位貴族がダスター領を引き継いだらしい。
資金も潤沢にあって領地運営のノウハウも充分に持っているとのことで、傾いていた領地は無事に安定へと向かっているという。
「ともかくこれで、アウル様は晴れてこの屋敷の子供になれたわけですね」
ロビンが締めくくりと言わんばかりのひと言を発し、改めてアウルは「そうか」と思った。
アウルを追い出した生家は、もうどこにも残されていないのだ。
元々家から追い出された身なので、あの実家を居場所のひとつとしてはすでに認識していなかったけれど。
これで本当に、アウルの帰るべき場所がたったひとつだけに限定された。
マグノリア領の領都マノリアにある、この屋敷に。
ただ今さらながらだが、こんな疑問が湧いてきてしまった。
「ぼくって、クロウおにいしゃまのなに?」
クロウの方を見て問いかける。
すると彼は黒目の上で眉間にシワを寄せ、軽く握った拳を顎に当てた。
見えないはずなのに、クロウの頭の上に疑問符が浮かんで見える。
それほどまでに答えに悩んでいる様子だった。
変に考えさせてしまって申し訳ないと思っていると、クロウの傍らでストークもきょとんと首を傾げた。
「考えてみればなんなのでしょうね? 息子というには若干歳が近い気がしますし」
捨てられていたところを拾ってくれたのはすごくありがたいし、今でも当然感謝している。
ただこの関係がなんなのかは、まだはっきりと言葉にしてもらったことがないのだ。
従者? 使用人? 客人? はたまた屋敷の兵士?
どれもいまいちしっくりこない。
その時ロビンが、ハッとした様子で声をあげた。
「あっ、歳の離れた弟でいいのではないでしょうか?」
「確かにそれならしっくりくるな」
ロビンとストークはこくこくと頷き合っている。
姓を与えてもらったからには確かに家族の一員というのが一番的確かもしれない。
(歳の離れた弟、か……)

