アウルの私室に此度の一件の顛(てん)末(まつ)を教えにきてくれたクロウは、書類を見ながら呆れたため息をこぼした。
アウルは同感だと内心で呆れながら、ふと思いついたことを口にする。
「ほかのひとに、まりょくをいれさせてたらよかったのに……」
「子供ながらに合理的な方法を思いつくものだな」
しまった、今のは子供らしくない発言だったかもしれない。
と危惧したが、部屋にいるクロウとストーク、それからロビンは特に訝しむ様子はなかった。
割と誰でも思いつくことだから、子供でもその可能性に行きついても不思議ではないと思ってくれたのかもしれない。
放火に使う魔道具には魔力を注入しなければならない。ではその役目を従者とかに任せれば、最悪「従者が勝手にやったことです」と罪をなすりつけることができたのに。
「ドレイク・ダスターが冷静さを保っていたらそうしていただろう。しかし俺は、奴が自ら魔道具に魔力を込めたと確信していた。だからこそあの魔道具の残骸が証拠になり得ると考えたんだ」
「えっ、なんでじぶんでやったとおもったんでしゅか?」
クロウは呆れた表情をそのままに、なんとも的確な意見を述べた。
「一度きりしか対面していないが、それでもわかる。あの難儀な性格であれば、復讐は自分の手で行いたいと思うはずだろう」
「……しゅごいせっとくりょく」
魔道具の残骸が放火の証拠にならないと高を括っていたというのもあるだろうが。
なによりあの性格なら、自分の魔力で復讐を果たしたいと思うのが当然。
自分で仕返しをしたというくだらない快感を優先し、結果的に奴は自分の魔力で首を絞めることになったわけだ。
そして夫の愚行を知りながら止めようとしなかったヒルマイナも、同じように罰せられてダスター家は崩壊した。
最後まで本当に愚かな生家だった。

