「きたか」
兵士が手巾の上にのせて丁寧に持ってきたそれは、なにかの〝燃えカス〟だった。
リレーのバトンくらいの大きさで、形も棒状。
パッと見た感じでは薪の燃えカスのようであるが、にしては少し形が整いすぎている気がする。
煤(すす)だらけで真っ黒で、それがなにかはまったくわからなかったが、クロウはそれを見て控えめに微笑んだ。
「よく発見してくれた。一目見た限りではただの山火事で残された木の燃えカスとしか思えないだろうに」
「もったいないお言葉で」
兵士は見るからに嬉しそうに頬を緩ませると、弾むような足取りで残り火の捜索へと戻っていった。
あのクロウに褒められたら、誰だってああやって喜んでしまうよなとアウルも共感する。
ともあれ話を戻す。
「クロウおにいしゃま、それなーに?」
「まだおそらくとしか言えないが、魔道具の残骸だろうな」
「えっ、まどーぐ?」
とてもそんなものには見えず怪訝な顔をしてしまった。
クロウにはこれが、火事現場に残されていたただの燃えカスではなく、魔道具の残骸に見えるようだ。
どう見ても焼け焦げたリレーバトンだけれど。
「至る所での同時発火と聞いてから、此度の被害は魔道具によるものではないかと考えた。だからほんのわずかにでも魔力の気配を感じるものがないか、残り火の確認のついでに兵たちに捜してもらったというわけだ」
「まりょくのけはい……」
ムムムッと集中して燃えカスを見つめてみる。

