「そうだ。送風機の公表は国内外問わず大きな話題になっている。開発の権利が国側に譲渡され、量産体制を築きつつあるということもな」
そこでアウルも確信する。
なぜこのタイミングでドレイクとヒルマイナが会いにきたのか。
もっと言えば、アウルを取り戻しにきたのかを。
「そして発明の名義はアウルになっている。それは言い換えれば〝発明によって得られる利益の一部は名義人のアウルに渡す〟と公表しているのと同じこと。であれば話は見えてくるだろう」
「アウル様に渡される利益目的に、息子を取り返しにきた……ということですね」
「……まったくふざけた連中だ」
クロウの声音がわずかに低くなり、この場の緊張感がさらに増す。
次いで彼はアウルの方に向き直ると、悔しさと申し訳なさが入り混じるように唇を噛みしめた。
「すまないアウル。俺の考えが至らず、アウルの名義で発明品を公表してしまった。アウルの置かれた立場を考えれば、こうなることは容易に想像できたはずなのにな」
「……クロウおにいしゃまは、わるくないでしゅ。わるいのは………」
理不尽に息子を追い出して、利用価値が見えたらすぐに取り返しにくるような、人の心を持たないドレイクとヒルマイナだ。
アウルの発明だからアウルの名義で発表したという、至って当たり前のことをしただけのクロウにはなんの責任もありはしない。
それでもクロウは罪悪感があるようで、アウルの肩に手を置いて告げる。
「だからここは俺に任せてくれないか。俺がすべて話をつける。アウルが無理に家族と話す必要はない」
「で、でも……!」
「実際に会っていない今でアウルはこの状態なのだ。顔を合わせてまともに話ができるとも思えない。だから俺に任せろ」
その言葉はとても頼もしくて、アウルの重たかった心を軽くしてくれるものだった。
ただ、これ以上の迷惑をかけたくないから、再びクロウを引き留めようとしたけれど……
「なにより……」
クロウが顔に滲ませた、確かな〝怒り〟をその目で見て、アウルは言葉を詰まらせた。
「こちらとしても、言ってやりたいことが山ほどあるからな」

