転生して捨てられたボク、最恐お義兄さまに拾われる~無能と虐げられたけど辺境で才能開花⁉~


 言葉にしたことで改めて罪悪感が湧いてきて、思わず目が熱くなってくる。
 その顔を見られまいと俯いていると、不意に頭に温かくて柔らかい感触が乗ってきた。
 あまり慣れていない感じでぎこちなく動くそれは、クロウの優しさに満ちた手だった。

「謝らなくていい。家に連れ戻されるのが怖いと思ったのなら、そうするのが当然だ」

 顔を上げると、相変わらず感情を読み取りづらいクロウの顔が見える。
 しかしそこには確かに、同情や憐れみといった、他者の気持ちを汲み取るような表情が垣間見えた。

「ダスター家というのは聞いたことがある。魔法使いの名家だな。察するにアウルに魔法の才能がなく、アウルは実家で不利な立場に置かれていたんじゃないのか」

 この人はやはり鋭い。
 クロウの考察は正しかった。
 ダスター家は魔法使いの名家であり、アウルには魔法の才能がない。
 断片的な情報を繋ぎ合わせてアウルの過去を読み取ったようだ。
 さらに察しよく、アウルの身にあった出来事を導き出す。

「そして家の事情か感情の問題かで、巡り巡って生家を追い出されるまでに至った。危険地帯であるブランチの森の深くに置き去りにするほどの悪意があるなら、おそらく後者が原因だと思うが」

 より厳密に言えば継母のヒルマイナに罠にかけられて、実父のドレイクの怒りを買ってしまったのが原因だ。
 だからクロウの言ったことはほとんど合っている。
 無言で頷きを返すと、それを見ていたストークが息をのみ、ロビンが「ひどい……」と小さく呟いていた。

「だとすると連中が俺に会いにきた理由も大方想像ができる。より正確に言うならアウルに会いにきた、だがな」

「クロウ様、いったいどういうことでしょうか? わざわざ追い出したアウル様に、自分たちから会いにくるなど……」

「〝最近あった出来事〟に目を向ければ、自ずと連中の目的がなにかはっきりする。よく思い出してみろ、ストーク」

「最近あったこと……」

 ストークは頭をかいて少し考え込むが、すぐに思い至ってハッとした。

「アウル様が改良した送風機の公表」