父と母。
ドレイクとヒルマイナ。
間違いなくそれは、自分を無能と蔑み家から追い出した悪しき両親の名前だった。
まさかもう一度その名前を聞くことになるとは思わず、アウルは放心する。
そしてすぐ近くにあのふたりがいるという事実に、自ずと手足が震えてきてしまった。
大好きな人たちに囲まれて、自分の好きなことを伸び伸びとさせてもらっている幸せな空間。
そこに強烈な悪意を持った人間が踏み込んできて、大切な場所を汚されたような気持ちになる。
アウルが震えている姿を見た三人は、明らかに異常な事態だとすぐに察してそれぞれ顔を見合わせて頷いた。
言葉にしなくとも三人の意思は通じていた。
ドレイクとヒルマイナ。このふたりはアウルにとって害悪だと。近づけるべき人物たちではないと。
ロビンは毛布を持ってきて、クロウとストークは来訪者を追い返すために部屋を飛び出そうとし、フェンリルは震える主人の手を心配そうに舐め始める。
その時、アウルは震える体をどうにか止めて、クロウとストークの背中に声を投げた。
「まって、くだしゃい!」
「……アウル?」
「だい、じょうぶでしゅ……。ぼくなら、だいじょうぶでしゅ」
かすれた声を絞り出し、うるさく鳴る心臓を深呼吸で抑えつける。
どうしてドレイクとヒルマイナが突然この場所に来たのかはわからない。
自分の居場所が向こうに知られてしまっている理由も。
わからないことだらけではあるが、自分が今やらなければならないことだけははっきりしている。
「ぼくが、おとうしゃまとおかあしゃまと、おはなししましゅ」
「なっ!?」

