転生して捨てられたボク、最恐お義兄さまに拾われる~無能と虐げられたけど辺境で才能開花⁉~


 記事の内容は、齢五歳の子供が発明した魔道具が隣国で大きな話題になっているということだった。
 いわく送風機の革新的な改良を行い、現存のものとは比べ物にならないほど実用的なものに変えたとのこと。
 隣国のガーディニア王国では独占権を譲渡されたことで本格的な量産体制を築く流れとなっており、加えて改良の発想が別の分野での研究を大きく進ませる事態にもなっているという。
 まさに神童の現れと言われたこの一大スクープは、その話題性から隣国であるここアッシュ王国にも届くほどとなっていた。
 そしてその偉業を成し遂げた子供の名前は……【アウル・エグレット】と記載されている。
 見覚えのあるその名前に、ドレイクは目を見開きながらかすれた声を漏らした。

「アウル……もしかして偶然か? いやだが、記事の内容はガーディニア王国での出来事で……」

「そうなのですドレイク様」

 アウルは別段珍しい名前ではない。
 アッシュ王国にもガーディニア王国にも同じ名前の人物はそれなりにいる。
 ゆえにそれだけでは断定材料としては弱いが、くだんの世間を賑わしている人物はガーディニア王国にいる五歳の子供だという。
 しかも姓が『エグレット』。
 ドレイクは自分が家から追い出した子供のことを思い出す。
 魔法使いの名家であるダスター家に生まれながら、まるでその才能を継承することがなかった愚息アウル・ダスター。
 最愛の人物であるヒルマイナを頑なに母親として認めず、果てにはヒルマイナの大切にしている私物を故意に破壊し、嫌がらせまで行っていた。
 だから勘当した。二度とうちの領地に足を踏み入れるなと。
 そして帰ってこられないように遠方へと連行して容赦なく捨てた。
 その場所はガーディニア王国のマグノリア領。