送風機ならびに湾曲羽根の発明を、大々的に発表すると決めた後。
そのための諸々の手配を、クロウが主軸になってテキパキと進めてくれた。
発表は直々に王都に行ってしなければならないようだったが、王都までは距離があるため子供のアウルを連れていくのは酷という判断になる。
代わりにクロウとその従者が王都へ向かい、アウルの名義で発明品の公表をしてくれることになった。
なんだかすべてを人任せにしてしまって申し訳ない限りである。
しかしその間、アウルもアウルでただぼーっと待つだけではなく、自分にできることをやっておこうと色々と画策した。
まず手始めに、屋敷内で暑さに悩まされている使用人たちが快適に過ごせるように、発明した送風機をたくさん生産することにした。
「ものすごい強さの風ですね! 今まで見てきた送風機とはまったくの別物です!」
「とっても涼しい~! これなら夏を乗り切ることができます」
「というかこれ、洗濯物の乾燥にも使えるんじゃないかしら」
ひとつ作るのに一流魔法使いが何日も時間をかけることになる魔道具を、休憩なしで大量生産する子供。
この世界の住人からすれば、あまりにも常識外れの光景に映って使用人たちは揃ってお化けでも見たような視線を注ぐ。
そんな目など露知らず、アウルは送風機作りを繰り返し、屋敷内の至る所にアウル手製の送風機の設置を完了させた。
これで屋敷内のどこで仕事をしていても、風を浴びることができてこの時期を快適に過ごせるはずだ。
そしてアウルはそこで止まらなかった。
魔道具製作の楽しさを知ったアウルは、また新たに皆を快適にするための魔道具を思いつく。
「ロビンー、もっといっぱいそうふうきのざいりょうほちいー」
「えっ? もうすでに屋敷の必要な場所すべてに、送風機は設置できていますよ? まだ作りたいんですか?」
「こんどはもっとちっちゃくして、みんながもってあるけるようにしましゅ!」
「持って歩く? 携帯できるようにするってことですか!?」
そう、前の世界で言うところの〝ハンディファン〟である。

