護くんが呼吸を整えているのが伝わる。
「想代のこと大好きに決まってる。ずっと前から、俺には想代だけ。だから、もっと……」
「触れさせて」の言葉が発せられるのと護くんが本当に私を抱きしめたのは、ほぼ同時だった。
「護くん。私ね、小学校の時になんで護くんを好きになったか分かる?」
ふと頭に流れた思い出を口にする。ううん、きっと今だから思い出せた。
護くんの返答を待たずに、私は言葉を続ける。
護くんに抱きしめられたまま。
「護くんが私が転んだ時に走って駆けつけてくれたんだ。それで私より泣いて先生を呼びに行ったの。先生が来るまでずっと手を握っていてくれていた。なんか私にとってそれがあまりにヒーローだったから」
護くんが「想代より泣いてたんだろ?」と恥ずかしそうにしている。
「うん、今も昔もずっと私のヒーローは泣き虫なの」
私は護くんの頬に伝っている涙を手で優しく拭う。
「想代のこと大好きに決まってる。ずっと前から、俺には想代だけ。だから、もっと……」
「触れさせて」の言葉が発せられるのと護くんが本当に私を抱きしめたのは、ほぼ同時だった。
「護くん。私ね、小学校の時になんで護くんを好きになったか分かる?」
ふと頭に流れた思い出を口にする。ううん、きっと今だから思い出せた。
護くんの返答を待たずに、私は言葉を続ける。
護くんに抱きしめられたまま。
「護くんが私が転んだ時に走って駆けつけてくれたんだ。それで私より泣いて先生を呼びに行ったの。先生が来るまでずっと手を握っていてくれていた。なんか私にとってそれがあまりにヒーローだったから」
護くんが「想代より泣いてたんだろ?」と恥ずかしそうにしている。
「うん、今も昔もずっと私のヒーローは泣き虫なの」
私は護くんの頬に伝っている涙を手で優しく拭う。



