この恋を執着愛と呼んでしまえば。

もう止まっていたはずの涙が気づかぬうちにまた溢れ始めている。




「でも、俺は一度想代を苦しめようとした。あいつに脅されたからって許されることじゃない。だから……」




護くんの顔は見えないけれど、オフィスの絨毯(じゅうたん)に涙がポトポトと落ちてシミを作っている。



「ごめん、想代。許されることじゃない」



護くんがあまりに苦しそうだから……私はわざと少しだけ笑って軽く言葉を続けた。

「ふふっ、私は今日、謝られてばっかりだね」

私の言葉に護くんが咄嗟に顔をあげた。