「護くん」

名前を呼ぶだけで、少しだけ緊張する。

その理由をもう迷わずに答えられるなら、あとは伝えるしかなくて。



「あの、まだ私自身気づいたばかりだけど……」



言おうとした私の口に護くんがそっと手を当てる。

でも、護くんは下を向いていて顔は見えない。

そして、そのまま続けるのだ。








「俺の初恋は想代。それがずっと今も続いている」








短くても、これ以上に私にとって素敵な言葉なんてなかった。