この恋を執着愛と呼んでしまえば。

今度こそ史桜先輩はオフィスを出ようとする。

そんな史桜先輩を護くんが呼び止めた。



「このまま引いて後悔しねーの?」


「ははっ、君は結局いつも優しいな。でもしないよ、絶対に。想代にはもうヒーローがいるから」



そう言った史桜先輩が私に近づいて、護くんに聞こえないように小声で話す。




「さっきオフィスで護と話している想代の幸せそうな顔を見ただけで十分。想代も自分の気持ちに正直になった方が良い」




そう言って、ニコッと笑う史桜先輩はやっぱり大学生の頃からの史桜先輩で。

史桜先輩がいなくなったオフィスで私は護くんと向き合った。