牧田 護はどこまでも良い人柄だった。
護の会社に資金援助をするためにウチの会社と護の会社は企業提携を行った。
想代は気づいていないけれど、本当は護はこの会社に転職はしていなくてウチの提携先の橋渡しの人材としてこの会社に入れるようにしている。
想代と基本的に顔を合わせない営業と嘘をついて、護は通常業務の他に提携業務も進めている。
そんな忙しくて堪らないと容易に想像がつく彼が要望したのは一つだけだった。
「これだけは約束して下さい。貴方が想代と付き合ったあとは、想代を誰よりも大切にすると」
「ああ、約束するよ」
嘘を吐くことだけは上手い悪人に、想代は釣り合わない。
想代に釣り合うのは、護のようなヒーローだろう。
だから、せめて最後に。大学生の頃のように。あの飲み会の時のように。
想代、最後に俺を史桜先輩と呼んで。
護の会社に資金援助をするためにウチの会社と護の会社は企業提携を行った。
想代は気づいていないけれど、本当は護はこの会社に転職はしていなくてウチの提携先の橋渡しの人材としてこの会社に入れるようにしている。
想代と基本的に顔を合わせない営業と嘘をついて、護は通常業務の他に提携業務も進めている。
そんな忙しくて堪らないと容易に想像がつく彼が要望したのは一つだけだった。
「これだけは約束して下さい。貴方が想代と付き合ったあとは、想代を誰よりも大切にすると」
「ああ、約束するよ」
嘘を吐くことだけは上手い悪人に、想代は釣り合わない。
想代に釣り合うのは、護のようなヒーローだろう。
だから、せめて最後に。大学生の頃のように。あの飲み会の時のように。
想代、最後に俺を史桜先輩と呼んで。



