想代がこの会社に来てから、一度だけ大規模な社内の飲み会で想代と一緒になったことがある。
想代は酔っ払って……心配して近寄った俺に初恋の人のことを教えてくれた。
「ん、史桜先輩? わー、あのですね! 私は史桜先輩の会社で務められて幸せです。聞いて下さいよ、最近は友達で結婚する子も多くて。でも、私はこの会社なら『仕事が恋人』でも良いです! 恋なんて小学校以来していないし。初恋は、護くんっていう男の子だったんですよ〜。それで……」
きっと想代すら蓋をしていた思い出が、酔っ払って出てきたのかもしれない。
それでも、思い出を話す想代は楽しそうで。
想代の相手を彼にしようと思った。
例え付き合うことにならなくても良い、一度俺に現実を見せてくれればそれだけで良かった。
どこまでも悪人になろう。
俺は想代の初恋の人を調べて、牧田 護を呼び出した。
想代は酔っ払って……心配して近寄った俺に初恋の人のことを教えてくれた。
「ん、史桜先輩? わー、あのですね! 私は史桜先輩の会社で務められて幸せです。聞いて下さいよ、最近は友達で結婚する子も多くて。でも、私はこの会社なら『仕事が恋人』でも良いです! 恋なんて小学校以来していないし。初恋は、護くんっていう男の子だったんですよ〜。それで……」
きっと想代すら蓋をしていた思い出が、酔っ払って出てきたのかもしれない。
それでも、思い出を話す想代は楽しそうで。
想代の相手を彼にしようと思った。
例え付き合うことにならなくても良い、一度俺に現実を見せてくれればそれだけで良かった。
どこまでも悪人になろう。
俺は想代の初恋の人を調べて、牧田 護を呼び出した。



