この恋を執着愛と呼んでしまえば。

「あ、そうだ想代。着いてきてもらったし、想代も好きな和菓子買いなよ。本当はこの後カフェで好きなものを奢ろうと思っていたんだけど、それだけじゃ足りないし」

「え、どっちも要らないよ……!」

「いいから。ほら、早くしないと俺らの順番が来ちゃうよ」

護くんの言葉通りすぐに私たちの順番は来てしまって、私は混乱した頭で一個だけどら焼きを追加注文した。

店員さんが菓子折りの他に一個のどら焼きを小さな紙袋に入れて私に手渡してくれる。

お店を出ると、護くんが「どうする? このままカフェに行っても良い?」と私に聞いた。

「これ以上は大丈夫だよ! どら焼きも買ってもらったし! もし行くなら私も普通に払うから」

「それじゃあお礼の意味がないんだけど……まぁ、とりあえずカフェに向かおうか」

「どこのカフェに行くの?」

「ここ」

護くんがスマホの検索画面を私の方向に向けてくれる。

「あ! そのカフェ、最近いちじくのパフェが美味しいって友達に聞いた場所……!」

「ネットで調べたら評判が良かったから。喜んでもらえそうで良かった」

護くんの嬉しそうな笑顔は昔のままで、その表情に少し安心してしまう。