この恋を執着愛と呼んでしまえば。

その恥ずかしさを誤魔化してくれるように、丁度和菓子屋を見え始めてきていた。

「護くん、あのお店?」

「そう」

その和菓子屋さんは大きめの和菓子屋さんで、店内に飲食スペースもある。

休日なのもあって、賑わっているのが店の外からでも分かった。

店の中に入ると私たちの前に二組いて、ショーケースを見ながら何を買うか話し合っている。

ショーケースが大きくて私たちの場所からも中が見えたので、私は護くんに「どれにする?」と聞いた。

「俺は和菓子をあんまり食べないから分からないけれど、色んな種類が入っていた方が良いかもな」

「確かに。この和菓子屋さんが好きなら、沢山種類が入っている方が嬉しいよね」

「想代ならどれが嬉しい?」

「私ならこの菓子折りかも。箱が可愛いのも嬉しい気がする……!」

「じゃあ、それにしよ」

「っ!? そんなすぐに決めて良いの!? 私の好み全開だよ!?」

「あはは、大丈夫だって。俺もこれが良いと思ったし」

そう言って、護くんが他の菓子折りを比べながら「入っている種類も他より多めだし、すごい良いと思う」と付け加えて言ってくれる。